エクササイズとしてのヨガから「心のケア」に応えるヨガ
ストレスによる体調不良だけでなく、鬱やトラウマなどで日常生活にまで支障をきたす人々が増える中、体の健康だけでなく「心のケア」を求めることが一般的になってきました。
ヨガ指導者は、「心のケアができるヨガ指導者」として成長することで、人々のニーズに応えられる必要性が高まっています。これまでのクラスをさらに深みのあるものにするには、日頃からの研鑽と指導者としての質の向上に努めることがプロとしての責任となってきています。
PRYTの体験やそのトレーニングへの参加によって、たくさんの人が日頃のヨガの体験がさらに深まったり、人間関係の改善や不安が解消など心の安定に役立っています。また、「心のケアができるヨガ指導者」として、生徒の体験をより尊重した指導法への改善に役立てているヨガ指導者もたくさんいます。
ここでは、ヨガ指導者にとって、PRYTの体験やそのトレーニングへの参加がどのように役立つかを3つの項目にまとめました。
1、アシストやプライベート・レッスンへの応用
PRYTは、本来、クライアントの体をさまざまなポーズでサポートしながら気づきを促す一対一の個人セッションです。生徒の体をサポートする技術を身につけることで、一般クラスのアシストやプライベート・レッスンに生かすことができます。しかも、PRYTのアシストは、体のアライメントを直すためのアジャストではありません。生徒の体験を尊重した上で、生徒の体に注意深く触れるので、そのアシスト自体が生徒の意識を内面に促す機会となります。
2、生徒をエンパワーする指導力の向上
PRYTのトレーニングで習うクライアントとのダイアログ手法を習得すると、プライベート・レッスンでの生徒とのコミュニケーションだけでなく、クラス指導で使われる言葉掛けも「何をするか」という指示を中心としたものから、生徒の意識をより瞑想的に内面に向ける「問い掛け」の言葉が豊かになってきます。それによって、生徒は自分の体験により深く集中できるので、そこから自分自身に必要な洞察や気づきを得ることができるようになります。教師あってのヨガではなく、自らの体験によって生徒自身がエンパワーされるクラスになるでしょう。
3、心のケアができるヨガの指導者
一方的な指示やアドバイスだけでは本当の意味で心のケアにはなりません。生徒の中で起きる感情的な葛藤や混沌とした思考状態でさえ何も変えることなく、そのままに生徒が観察した上で受容するプロセスを、指導者はしっかりとサポートする必要があります。
PRYT養成コースは、セラピストとしてクライアントの一瞬一瞬の体験を肯定し、尊重し、受容するトレーニングとなります。それはクライアントの中で起きることに対して自分の心に必要以上に反応しないセラピストになるとためのトレーニングでもあります。
このようなセラピストとしての体験は、いずれヨガの指導者としての生徒との関わり方にも大きな変化を生んでいきます。早急なアドバイスや解決策を与えることは、生徒の成長や気づきのプロセスを妨害することにも繋がります。どこまでも生徒の主体性を尊重しながら、本人の力で自分の体験に気づき、理解し、統合できるようにサポートすることが、生徒を自立させる大切な心のケアなのだということが理解されてくるでしょう。
(トレーニング・ディレクター 三浦敏郎)
「ヨガ実践者にPRYTが役立つ理由」も合わせてご覧ください。