フェニックス・ライジング・ヨガセラピーとは

フェニックス・ライジング・ヨガセラピーとは

フェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)は、クライアントが自分の体の声に耳を傾け、気づいたことに基づいて人生で必要な選択ができるようにするセラピーです。身体的アプローチによって自己変革を促すヨガに、傾聴を中心としたコミュニケーションの技法を組み合せたセラピーには、燃え尽きた灰から新たな生命が再生する、エジプトの不死鳥の神話から、「フェニックス・ライジング」という名前がつけられました。1986年に誕生して以来、セッションを受けるクライアントはもちろんのこと、このヨガセラピーを提供するセラピストたちが、真に願う自由で健全な生き方を見出し、意味ある人生を築くサポートをしてきました。

心と体の関係

体で起きていることは心の表われであり、逆に、心で起きていることは体に反映されます。フェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)では、この両者の深い関わりに注目することで心と体の調和をめざします。

内面に宿る「智慧」

私たちが知りたいと願っているものは、すべて自分の内面にあります。ちょうど、体が自らの知性によって内臓や神経やホルモンのバランスを保っているように、私たちの意識の奥には、本来、何が必要であるのかを知る能力が備わっているのです。この誰もが生まれながらにして持っている能力を「智慧」と呼びます。

治すのではなく、気づきを促す

真の癒しは内面から生じてきます。そして、その癒しとは、自らの「気づき」が伴うものです。フェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)では、体や心の症状を治すことではなく、あるがままの自分自身のあり方を体験的に理解することを重視します。そのために、身体感覚や心の中で起きる思考や感情などに対する「気づき」が促されるようなサポートをします。

クライアントの主体性を重視

特定の道徳感や価値感にクライアントを誘導したりアドバイスをすることはしません。それは、本人が内なる智慧を信じる力づけにならないからです。内面で起きていることが何であれ、自分自身の学びのプロセスであることを理解し受容する本人の主体性をサポートします

創始者について


Phoenix Rising School of Yoga Therapy

マイケル・リー / Michael Lee
教育学と心理学を専攻したオーストラリア出身のマイケル・リーは、1984年より米国のクリパルセンターにてヨガの指導と研究に従事。1986年、独自の体験からフェニックス・ライジング・ヨガセラピーを考案。現在、Phoenix Rising School of Yoga Therapyを主宰しながら米国を中心に関連トレーニングを指導している。著書に『Phoenix Rising Yoga Therapy:A Bridge from Body to Soul』と『Turn Stress into Bliss』がある。

よくある質問

PRYTでは、ヨガのどのような要素を重視していますか?

ヨガとは、私たち一人ひとりの「内に存在する智慧」に触れることによって、自分の人生に対し責任をもち、自立した生き方をめざすものです。しかし、私たちのほとんどは、その智慧から何かを学ぶ代わりに、自分たちをそこから切り離し、親や先生といった外からのアドバイスに頼る生き方をします。自分がどのように生きるかという重要な課題さえ、外部の要因に惑わされてしまうことがあります。
ヨガとは、そのような外に目を向けた生き方から、今一度、意識を内側に向けることです。自分の体験に基づいた「内面からの気づき」を、自己成長と学びの道具とするのです。それによって、クライアントがより主体的に関われるように手助けするのが、PRYTです。

ヨガのポーズをするPRYTは、腰痛などの慢性的な凝りや痛みにもよいのですか?

PRYTでは、プラクティショナーの補助によって、ヨガのポーズを無理なく行なえるので、体の緊張はほぐれ、肉体症状は和らぎます。しかし、目的はあくまでも、クライアントの気づきを促すことであり、症状そのものを除くことではありません。慢性的症状の多くは、精神状態と密接な関連があります。セッションの中で自らの心理的緊張に気づくことで、慢性の肉体症状が軽減することもあります。

治さなければ、何もよくならないのではないですか?

「治す」「治さない」というのは、心身状態を「良い」ものと「悪い」ものに分類するところから生じる見方です。PRYTでは、どのような心身状態に対しても特定の価値判断を加えることはしません。すべての体験は、本人の統合に必要不可欠なプロセスとして尊重します。起きている現実をあるがままに気づくことが、内面の変革に繋がっていくからです。自分の内面が変わりはじめるとき、「治すべきこと」が、「治さなくてもいいこと」として捉えられはじめることも多々あります。

PRYTはどのようなクライアントが対象となるのですか?

PRYTは、あるがままの自分に対する意識を深めていくためのものです。悩みの解決に焦点があるのではなく、充実した人生を築くための障害になっている先入観や囚われていた価値観などに気づき、そこから自分を解放して、より多くの可能性と選択の自由を持ちながら行動できるようにするものです。したがって、自己をより向上させたい、より有意義な人生を歩みたいと願う人であれば誰が受けても得るものがあります。

PRYTにクライアントが依存する傾向はありませんか?

PRYTはクライアントを治すのでもなければ、クライアントに欠けているものを提供するのでもありません。クライアントは、自らの気づきによって自分自身と向き合い、内面の智慧にアクセスしていきます。プラクティショナーは、クライアントの学びのプロセスを尊重し自立と主体性をサポートするものですから依存する心配はありません。ただ、瞑想やヨガなどの心身鍛練法を生涯継続していくことに価値を見い出す人がいるように、PRYTのセッションをある程度、長期間、定期的に受けることに価値を見い出す人もたくさんいますが、それは依存とは言えません。どの程度の頻度で受けるかはクライアント本人が決めることですから、依存というものはありません。

ヨガを実践していれば、PRYTで求めることは基本的に得られるのではないですか?

基本的には、その通りです。しかし、そのためには、日頃の長く継続した実践が必要になります。しかも、ヨガの体験は、自分の中で起きていることにどれだけ気づいていられるかという、個人的な意識のあり方に大きく影響を受けるものです。したがって、どれほど長年実践しても、明晰な意識がなくては、密接に関わり合う体・心・精神の関係性を理解するのは簡単なことではありません。
PRYTの利点は、プラクティショナーの補助によって、クライアントはポーズの保持を完全にリラックスして委ねられることです。そのリラックスして安定した状態によって、意識を自分の中で起きていることだけに集中できます。この安定し集中した意識状態によって、一人だけの実践ではなかなか気づかないほどの深い体験が促されてきます。

PRYTのセッションはどのくらいの頻度で受けると効果的でしょうか?また、ある程度のヨガの経験があった方が、PRYTによって得る成果が大きいのではないですか?

初めのうちはセッションに慣れ、本人の得られる効果が高まるように、1〜2週間に1回程度に繰り返し、一旦慣れたら、クライアントの必要に応じて必要なだけ継続するといいでしょう。瞑想やヨガなども長いこと継続することで効果や価値を見い出すように、PRYTのセッションをある程度、長期間、定期的に受けると人生に大きな違いが感じられるようになります。
ヨガの実践をしている人が、PRYTを受けることは、今まで積み上げてきた集中力や意識によって、ヨガや自分に対する理解が飛躍的に拡大する可能性があります。しかし、ヨガの未経験者でも、それによって心身の深いリラクセーションと本来の自分に触れることの深い安らぎを得る人はたくさんいます。

私たちについて

PRYTの普及を目指し、日本におけるプログラムは、株式会社クリパル・ジャパンが主催・運営しています。クリパル・ジャパンで開催するヨガセラピー関連のセッション、グループ・ファシリテーション、養成コースは、ヨガアライアンス認定校(RYS)として提供するものではなく、あくまでも米国のPhoenix Rising School of Yoga Therapyにより認定されたプログラムとして提供しています。
The yoga therapy components of our sessions/courses/training are based on Phoenix Rising Yoga Therapy, not derived from our status as a RYS with Yoga Alliance Registry.

クリパル・ジャパンとは

クリパル・ジャパンは、心身の成長を促すヨガを、自己探求の手段としてとらえ、より健全で調和のとれた生活に役立つように普及することを理念としています。
クリパル・ジャパンと米国最大のホリスティックセンター「クリパルセンター」、そして「フェニックス・ライジング・ヨガセラピー」との親交は1990年代に始まり、30年以上に渡ります。クリパル・ジャパンは、ヨガの叡智を現代生活に活かすべく、米国で長年に渡って実施され、改良されてきたトレーニングやプログラムの完成度、エッセンス、奥深さを保ちつつ、それらを日本人のライフスタイルに合わせて提供することを使命としています。

個人セッション グループ・ファシリテーション 一般コース 養成コース