PRYTの個人セッションとは

ヨガとは、私たち一人ひとりの内に存在する智慧に触れることによって、自分の人生に対し責任を持ち、自立した生き方を示すものです。

しかし、私たちのほとんどは、その智慧から何かを学ぶ代わりに、自分たちをそこから切り離し、逆に、自分以外の親や先生からのアドバイスに頼る生き方をします。

それは、自分を信じられなかったり、人目を気にしたりすることと大きな関係があります。自分がどのように生きるかという重要な課題さえ、外からの要因に束縛されてしまうのです。

そのような外に目を向けた生き方から、ヨガは、今一度、意識を自分の内側に向け、内面の智慧に耳を傾けることから始めます。

ヨガでは、自分の体験に基づいた内面からの「気づき」によって自己の成長と学びを促していきます。この内面からの「気づき」を、クライアントがより主体的に関われるように手助けするのがフェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)です。

ヨガセラピーというと、クライアント(患者)の訴える症状に対してセラピスト(治療師)が最適なヨガのポーズや呼吸法などを提案することで、症状の軽減や改善を促すことをイメージするでしょう。

そうしたアプローチは、クライアントの身体的症状を除くにはいいのですが、症状の奥にある心理的な問題に関しては、ほとんど触れません。しかも、問題解決の手段や方法などに関しては、あくまでも、クライアントは受け身であり、セラピストに依存した関係が続きます。

PRYTでは、クライアントのサポートをする者を「プラクティショナー」と呼びます。クライアントは、このプラクティショナーのサポートで、自分の体に意識を向けるように促されます。

呼吸に注意を向けたり、体の中を観察することで、心身をリラックスさせ心を集中させるためです。セッションの中で、クライアントはプラクティショナーに補助されながらいくつかの体のポジションや動きを保っていきます。

補助されることで、クライアントは余分な力みを手放し、自分の中で起きている身体感覚や思考や感情などを直接感じたり触れる余裕がでてきます。また、自らの内面で起きているプロセスにリラックスしながら委ね、冷静に、客観的に、そして主体的に自分の体験に集中できます。

多くの場合、体のポジションをプラクティショナーに補助された状態で、「エッジ」と呼ばれるぎりぎりの瀬戸際で止まります。エッジとは、きつ過ぎも緩み過ぎもしない、適度な刺激を受ける領域です。そこは、私たちが普段意識している既知の世界とまだ意識していない未知の世界との境界を象徴しているところです。

このエッジに数分~10分程止まることで、しだいにクライアントは体の領域からさらに心の領域に、慣れ親しんだ既知の領域からまだ気づいてなかった領域にまで意識が深まっていきます。エッジに止まり、心を静めていくと、無意識に抱え込んでいた心身の緊張が表面化したり、体全身に躍動感が湧いて来たりします。緊張を解放したり、自分の今まで生き方や、それとはまた違った生き方の可能性を発見するには、このエッジという空間が必要なのです。

私たちは、体の一つひとつの動きやポジションを通して、さまざまなフィーリングやイメージなどを体験しているものです。例えば、体の前面を開くポジション(ヨガではコブラやバッタなどのポーズ)は「自信」や「勇気」が湧いて来たり、頭を足元へ下げるポジションでは、「ゆだねること」や「手放すこと」ことを体験する可能性があります。

ヨガのポーズは、私たちの内面で、習慣化した行動パターンや、その背後にある信念や感情を、私たちの意識上に浮き彫りにしてくれます。思考や感情への固執や抑圧が長期間になれば、必然的にそれだけ大きな緊張となって生命力の流れを妨げていきます。ほとんどの身体の歪みや病気の原因となる緊張はここにあるのです。PRYTでは、そのように習慣化し固定化した心理状態に伴なう緊張をエネルギーとして解放していきます。

PRYTのセッションにおいては、プラクティショナーとクライアントが言葉を交わすダイアログがあります。これは、クライアントが内面で起きている身体感覚や気持ちに意識をさらに向けるために使われます。私たちの行動を無意識に支配している、様々な先入観や感情といった内面の状態に気づきが深まって来ると、身体で起きていることと、思考、感情、そして魂との間に、密接な関係があることが理解されてきます。

最後に、クライアントはプラクティショナーに短い瞑想をリードしてもらいながら、肉体で経験したことと、実際の日常の人生で起きていることとを統合するプロセスを経てセッションは終了します。

このPRYTのセッションを受けていくと、心身の奥に緊張として停滞していたエネルギーが自然治癒力として体内に流れ始め、心身の症状に何らかの変化が出てきます。時には、とても活力を感じたり、一時的には、多くの夢を見たりすることもあります。そして何よりも、クライアントが自分自身と正直に向き合うことで、人生に対し責任を持ち、自立していく大きなステップになります。

昨今、今までの押しつけられた生き方に疑問を持ち、もっと自分らしく意識を持って生きたいと願う人々が急激に増えています。それと同時に、周囲の人々や社会に合わせられなくなっている自分の体や心を異常視したり、それを一刻も早く修正することが必要なように思われている傾向もあります。

しかし、ヨガは、そのような社会的・心理的現象を、善悪の評価対象とするのでなく、その奥にある真の問題を見つめることを教えてくれています。PRYTは、周囲に合わせて装ってきた仮の自分に気づき、あるがままの本当の自分を受入れ、そこから先の人生を、もっと正直に大切に生きていくためのものです。PRYTを受けるために、ヨガについての知識や体験は必要はありません。必要なのは、自分自身を正直に見つめる勇気と生命を尊び信頼する心です。

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